冷麺と時刻表
・・・あれは、就職して数年目のゴールデンウィーク。
アウトドア派な友人と2人で盛岡までトレッキングキャンプに向かった。
〜野田 知佑さんの著書日本の川を旅する―カヌー単独行を読んで、
特に行きやすそうで印象深い岩手県の北上川沿いを歩こうと思ったのだった〜
関東ではもう暖かい5月初旬。3シーズンの装備を背負い割合気軽に東北新幹線のシートにもたれ掛かりながら景色を眺めていると
仙台を過ぎた辺りから雪が舞って、いや吹雪いてきた。
後になって聞いたら無謀だと言われましたがその当時はそんなノリでした。
盛岡で降りると雪が既に積もっており、マウンテンパーカー位しか羽織っていない私共には寒さが応えた。まず、夜の暖を取るためにウィスキーとその日の食料を買い、北上川にでた。河に出てみると水は綺麗で少し河原で遊びながらもその日のテントサイトを見つけるために下流に歩く。
途中の商店街の肉屋で夕飯の揚げ物を買い、水の補充をさせてもらいました
一日目の晩、ズボンもかなり濡れた状態でありったけのタオルやシャツ、
靴下を巻き付けて明日生きていたらまた会おうと約束して眠った(なかなか寝付けなかったけど)。
明け方日が出て暖かくなりやっと仮眠できました。
翌日は帰途につく予定なので今日は体を暖めるためにスタミナのあるものを食べようと国道を歩いていると焼き肉屋が目に留まり、すでに足はそこに向かっていた。
メニューを眺めていると、そこで初めて目にしたのが『冷麺』でした。
冷たい麺? なんだそりゃ? と、肉は勿論とりあえず注文。
冷たくて腰があってほのかに酸っぱく美味しい食べ物でした。
その晩は杉の林の中でテントを張りました。
やはり雨で濡れた靴などを乾かすために近隣の住宅へ訪問し古新聞をいただきました。
盛岡は見るところが無いので竜泉洞とかみてくれたら良かったのにとおっしゃったり、すぎの枯れ葉は燃えやすいので気をつけてくれとか岩手のお話をちょこっと聞かせてもらったりして触れ合いがありましたね。
翌朝は烏の飛び交う音と泣き声で目を覚ましました。
そして帰途に向かい、最寄りの駅で駅長さんと次に来る列車のお話の事や乗り換えの事を聞きながら
『俺の甥も旅が好きなんだ。旅が好きなら時刻表くらい見方がわからないと』
と時刻表の見方を教えてもらいました。
その後、各駅停車の列車を乗り継ぎ約12時間後、玄関をくぐりました。
時には土手が凄く拡がったり、河が見えなくなったり、何故か国道を歩いていたり半日かけて河に戻ると川沿いには数キロしか進んでいなかったり・・・
結局2泊で10kmも川沿いには歩いていないそんな旅が私の冷麺と時刻表の
出会いの旅でした



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